第15話「鷹にさらわれたガンバ」

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断崖絶壁を登り、カラス岳を目指すガンバ達。
その近くを鷹が飛んでいます。

絶壁を登り切り、疲れ果てて眠るガンバ達、
ガンバは鷹にさらわれてしまいます。
鷹の巣に連れていかれたガンバは、
鷹と戦い、負傷してしまいます。

雷が落ち、周りの木が燃え出し、
ガンバは土に潜って難を逃れます。
「こんな時にボーボがいてくれたらなあ。」



ボロボロになったガンバは、倒れても立ち上がり、
小屋に辿り着きます。

深夜3時過ぎ、小屋にいる山のガイドが、
寂しい心情を綴っています。
ガンバも仲間が次々とノロイにやられる悪夢に苦しみます。



山のガイドに見つかるガンバ、ガイドはガンバを追いかけます。
気を失ったガンバ、ガイドはガンバの傷の手当をして、
食べ物を与えます。



夜が明け、元気になったガンバはカラス岳を目指します。
山のガイドは、日記にガンバの事を書きます。


『ガンバの冒険』において、人間は巨大な黒い塊、みたいな感じで描かれています。
ガンバ達を見ると、襲い掛かってくる存在であり、
ガンバ達とコミュニケーションを取るという話になる事はありません。
勿論作中で、人間達の物語が語られる事も、この15話を除いて、ありません。

15話の山のガイドは、アニメ『ガンバの冒険』の中で、
唯一心情や個性がきめ細かに見えてくるキャラとして描かれています。

山のガイド、母や友人の事を思ったり、
負傷したガンバの傷の手当をしてやったり食事を与えたところからすると、
優しい性格の持ち主なのだろうなあ、と思えたりします。

視聴者は当然人間であり、ガンバの物語を俯瞰して見る事が出来る為、
ガンバと山のガイドのやりとり・・・山のガイドの物語の間は、
妙にシンミリと、そして寂しいながらも暖かい何かを感じて、
ホっと一息つけるところかもしれません。
ガンバにしてみれば、巨大な人間に追い掛け回されるので、
それどころな訳は無いのですけどね。

山のガイドは、旅立つガンバに静かにエールを送ります。
勿論、ガンバ達がノロイと戦う為に旅をしてるなどとは知らないのですけど・・・
アニメ『ガンバの冒険』に於いて、人間が唯一ネズミに送るエール・・・
劇中で結果として、唯一、ガンバ達を応援する視聴者の代弁をした人間だと思います。

ガンバの冒険は、人間が知る事のない冒険です。
『冒険者たち』を読んだ子供達、アニメ『ガンバの冒険』を見た子供達、
あるいはミュージカルなどの舞台を見た子供達だけが知っている、
そういう物語です。


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